デッキ構築の基本

ゲームディレクターのDave Guskinがデッキ構成の方針とデッキの構築方法について話します。

皆さん、こんにちは!ゲームディレクターのDaveが「Riftbound」でデッキを構築する方法について詳しくご説明します。私は非常に長い間トレーディングカードゲーム(TCG)をプレイしていますが、その良い面でもあり、悪い面でもあるのがデッキ構築で、これはTCGにおいて最もやりがいがあることであると同時に、最も困難なことでもあります。では、簡単に説明してみますね!

ドメインの解説

Riftboundは6つのドメインを中心に構成されています。これはリーグ・オブ・レジェンドのユニバースに登場する各チャンピオンたちが共鳴(または反発)する、パワーの源泉となる属性であり、これによって、そのチャンピオンのデッキに追加できるカードが決まります。

存在するドメインは以下のとおりです。

  • Fury (赤) -
    • Furyは攻撃性、情熱、征服するスリルがテーマです。
    • Furyのデッキは主にダメージによるremovalやAccelerate(または準備状態で場に入るその他の方法)を使用し、征服することで報酬を得て、勝利を目指します。
    • 基本的にFuryのカードは大量に手札を引いたり、特に本拠地内に留まり戦闘に加わらないユニットを直接キルしたりすることが難しくなっています。
    • Furyタイプのキャラクターとしては、コナン・ザ・グレート、ブレイド(マーベル)、アナキン・スカイウォーカー(『スター・ウォーズ』)などがあげられます。
  • Calm(緑) -
    • Calmはバランス、瞑想、領土の安全がテーマです。
    • Calmのデッキは主に防御的な技を使用し、敵を強制移動したり、インタラクションを無効化(カウンタースペルやスタン)して、自分の領土を守ることで勝利を目指します。
    • 基本的に、Calmのカードは積極的に攻撃を仕掛けたり、自分のユニットを使わずにインタラクションすることが難しくなっています。
    • Calmタイプのキャラクターとしては、ガンダルフ(『指輪物語』)、バルー(『ジャングル・ブック』)、オビ=ワン・ケノービ(『スター・ウォーズ』)などがあげられます。
  • Mind(青) -
    • Mindは革新性、相手を出し抜くこと、知性と好奇心の恩恵がテーマです。
    • Mindのデッキは主に長期的なプランニングを必要とし、相手を弱体化する小技や、カードドロー、非表示や装備のシナジーを利用することで優位を得て勝利を目指します。
    • 基本的にMindのカードはユニットを移動させ難く、高効率なユニットが少なくなっています。
    • Mindタイプのキャラクターとしては、シャーロック・ホームズ、おさるのジョージ、ヨーダ(『スター・ウォーズ』)などがあげられます。
  • Body(オレンジ) -
    • Bodyは身体的な優位性、敏捷性、野生との繋がりがテーマです。
    • Bodyのデッキは主にリソースの増大システムや効率と影響力が大きなユニットを使用し、戦闘で圧倒しての勝利を目指します。
    • 基本的に、Bodyのカードは効率的なカードドローや非戦闘スペルが少なくなっています。
    • Bodyタイプのキャラクターとしては、ターミネーター、ジャガーノート、チューバッカ(『スター・ウォーズ』)などがあげられます。
  • Chaos(紫) -
    • Chaosは予測不能、反逆、トリッキーがテーマです。
    • Chaosのデッキは主にポジションやトラッシュを操作し、隠されたトリックを使用して、適切なカードをフィルタリングすることで勝利を目指します。
    • 基本的には、Chaosのカードは脅威を完全に排除したり、ユニットに恒久的な優位性を付与することが難しくなっています。
    • Chaosタイプのキャラクターとしては、V(『Vフォー・ヴェンデッタ』)、スパイダーマン、ハン・ソロ(『スター・ウォーズ』)などがあげられます。
  • Order(黄) -
    • Orderは団結、コミュニティー、社会のための犠牲がテーマです。
    • Orderのデッキは主に複数の小型ユニットを生成したり、ユニットのデス時に効果を獲得したりして、ユニットを直接キルすることで勝利を目指します。
    • 基本的にOrderのカードは、小型のユニット相手に苦戦したり、ユニットを移動することが難しくなっています。
    • Orderタイプのキャラクターとしては、スーパーマン、コブラコマンダー(『G.I.ジョー』)、レイア姫(『スター・ウォーズ』)などがあげられます。

デッキ構築のひとつの開始点は、自分のプレイスタイル(または単に性格全般)に合ったドメインから始めて、デッキに追加したくなるような、かっこいいカードを探すことです。ただし、Riftboundに限っていえば、デッキ構築の最善の方法は…

ステップ1:レジェンドを選択する

大前提として、チャンピオンによってデッキのドメイン(色)が決まります。Riftboundの最初のセットであるOriginsでは、デッキ構築の基礎となるチャンピオンすべてに、2種類のドメインを持つレジェンドカードが1枚存在します。

たとえば、ジンクスはFury/Chaosなので、ジンクスを選べばFuryカードとChaosカードの両方をプレイできます(逆に、Calmカードは使用できません)。

レジェンドはプレイ可能なカードを決めるだけでなく、「常時発動」の強力なスキルも持っており、これによって取るべき戦略や勝利へのシナリオも変わってきます。たとえば、ジンクスは出せるカードがなくなりかけた際に追加のカードを1枚ドローできるので、より攻撃的な(カードを手札からボードに出す)プレイが奨励され、余分なカードを捨ててコストを支払いながら、手札を素早くなくす方法を探ることになります。

レジェンドを選択したら、次に決めるべきことは…

ステップ2:チャンピオンを選択する

レジェンドカードに加えて、すべてのチャンピオンデッキには「選ばれしチャンピオン」が必要です。これはあなたのレジェンドのチャンピオンユニットで利用可能なバージョンのひとつであり、Originsであれば、すべてのレジェンドに2つ、それぞれ異なる色のものが存在します。それぞれにスキルが異なっており、これはデッキ全体の戦略のピースに合ったものになります。この「選ばれしチャンピオン」ユニットカードへのアクセスは常に保証されることから、そのチャンピオンを中心にどのようにデッキを構築するかを考えることが重要になります。

リー・シンを例にします──まず、彼のレジェンド盲目の修行僧を見てみましょう。

毎ターン、味方ユニットのひとつにバフを追加することが可能です。これはそれぞれの「選ばれしチャンピオン」ユニットでどのように機能するのでしょうか?リー・シン Centeredを見てみましょう。これはこのチャンピオンのBody(オレンジ)ユニットバージョンです。

このリー・シンは他のバフされたユニットに追加のブーストを付与できます(マイト+2は強力です!)。このカードを中心に構築したデッキでは、「ワイドに展開」して、自身にバフを付与できるユニットを編成するのが良いかもしれません。レジェンドスキルを使用して、バフを持たないユニットや、バフを使用済みのユニットにバフを追加することもできます。

それでは、もうひとつの選択肢であるリー・シン Asceticはどうなるのでしょうか?リー・シンのCalm(緑)ユニットバージョンです。

このリー・シンは獲得できるバフの数に制限がないことから、ボード全体にプレッシャーをかけられる単体の超強力ユニットに育成可能なので、Bodyバージョンのように複数のユニットに分散するのではなく、このユニットのみにレジェンドスキルを使用するのが効果的でしょう。このように、リー・シンが好きなプレイヤーは、プレイスタイルをカスタマイズして使用するデッキの戦略を決める際に、複数の選択肢が得られます。

特定のレジェンドを中心にしたデッキは、メインデッキ内のそのレジェンドのチャンピオンユニットの両方をプレイ可能なので、戦略を組み合わせることが可能ですが、いずれかを選択することで、選ばれしチャンピオンによって、基本的に試合で常にドローすることが可能な「確定」カードの有用性を最大化する道を選ぶことになります。

ステップ3:シグネチャーカード

選ばれしチャンピオンはメインデッキの40枚のカードの最初の1枚なので、あと36枚必要になります──って、枚数が合いませんよね?メインデッキには、選択したチャンピオンの最後のスペシャルカードである「シグネチャー」カードのスポットを最大3枚分確保しておくのが良いでしょう。Originsでは、レジェンドそれぞれにシグネチャースペルが存在します。これはそのチャンピオンのデッキの戦略に固有であり、コスト基準で比較して、他のカードよりも強力になっています。常に最大の枚数をプレイする必要がある訳ではありませんが、通常は戦術に合うものであることから、そうしない理由はほとんどありません!

[サイドバー: デッキの最小サイズ] どうしてもそうしたい場合や、好きなカードが多すぎてどれも切れないという場合は、40枚の上限を超えることも可能ですが、基本的にはあまりおすすめしません──チャンピオンカードやシグネチャーカードなどの特に強力なカードを引ける可能性が低下するためです!

ビクターのシグネチャースペルである「パワーブラスト」を見てみましょう。

ビクターの戦略は(リクルートトークンの生成を含む)小型ユニットの大軍を形成してから、複数のグループをバトルフィールドに送り込んで支配することが中心となります。戦闘で数の優位を得ている場合、「パワーブラスト」は非常に強力に含めるな存在で、不利な戦況を一気に覆し、勝負の鍵となる最後の数点をもぎ取るために役立ちます。

ステップ4:メインデッキをカードで埋める

デッキに含めることが可能なカードは大量に存在します。レジェンドのドメインのカードであれば、他のチャンピオンユニットでもOKです!メインデッキのどのカードでも、同一カードを最大3枚プレイすることが可能です(選ばれしチャンピオンについては、最初にテーブル上にプレイしたカードが、この同一カード3枚までの上限に追加でカウントされます)。

以下に40枚のカードの残りを埋めていく際に考慮すべき経験則を簡単にまとめました。

  • 選択したチャンピオンを積極的に使う - 基本的には、選ばれしチャンピオンのカードを多く選ぶと効果的です。結局のところ、このチャンピオンを利用できることが戦略の中心になるからです!選ばれしチャンピオンを敵に倒されてしまうこともあるので、余分にカードを用意しておくのがいいでしょう。
  • 小型ユニットを9枚以上使う - 戦ってバトルフィールドの支配権を奪わなければ勝つことはできません。そのため、通常は2~4コストのユニットを多め(9枚以上)に選択して、遅くとも2回目のターンまでに安定して1枚は引けるようにします。(ビクターのレジェンドなど、序盤のバトルフィールドの支配権を奪うために役立つレジェンドパワーを持っている場合は、これはそれほど重要ではなくなります)
  • インタラクティブスペルを6枚以上使う - 「インタラクティブスペル」を持っていないと、戦闘に勝つのは難しくなります。これらのスペルは、味方のユニットを強化したり、敵のカードの効率を低下させたり、シンプルに敵のユニットをremoveすることが可能です。試合の中盤までに少なくとも1枚はこれらのカードを引けるように、十分な数(6枚以上)を含めておくのがいいでしょう。(このような効果を持つシグネチャースペルを持っている場合は、それを含めて6枚と考えることができます)
  • スペルや装備を多く積み過ぎない / 迷った時は、ユニットを多く使う - スペルや装備を増やし過ぎないようにしましょう。バトルフィールドで相手とやり合うには、チャンピオンなどの強力なユニットが必要になります。スペルや装備は、バトルフィールドにおけるボード上の影響力を高めるためのものです。

これ以外のカードは、あなたが選んだ戦略や勝利条件に応じて決めることになります。Riftboundで勝利するためには、バトルフィールドの支配を維持するか、同一ターンに多くのバトルフィールドを獲得する必要があることを忘れてはいけません。そのため、基本的には試合終盤までに大量の防御系ユニットとスペルを構築するか、攻撃的なユニットの軍団を構築できる必要があります。

デッキ構築が初めてなら、最初は圧倒されてしまうかもしれません!でも、心配は無用です──まずはチャンピオンの構築済みデッキから選んでプレイすることができます。そして、自分のプレイしたい方法に合わせて、カードを1枚ずつ変更していけば良いのです。説明書には構築済みデッキと、それらをより強力なカードでアップグレードするヒントも記載されています!

ステップ5:ルーン

ルーンデッキについてはどうすればいいでしょうか?まだほとんど触れていませんでしたね。メインデッキのカードを選択する際には、カードのパワーコストに注意を払う必要があります。2つのドメインのどちらか一方にパワーバランスを「偏らせる」ことで、必要な時に必要なルーンを手に入れやすくするのが良い場合もあるでしょう。たとえば、ひとつのドメインでは主にパワーがゼロのカードをプレイし、もうひとつのドメインでは強力なパワーカードを複数用意する場合などです。これを行う場合は、たとえば8対4の割合で、パワーコストが高いドメインを多めにしてみてもいいでしょう。

また、そのドメインのSealカードを利用するのもいいでしょう。Sealsは複数のターンに渡って、特定のドメインの大量のパワー(リサイクル)コストを支払うために役立ちます。そのドメインで必要なレア度の高いカードを持っているなら、Sealsが良い選択肢となるでしょう。

しかし、通常は6対6の割合で2つのドメインに均等に配分して始めて、プレイしながら調整を行い、特定のドメインのルーンが不足しているように感じるか確認するのがいいでしょう。

ステップ6:バトルフィールドを選択する

デッキ構築の最後を締めくくるのは、3種類のバトルフィールドの選択です。Originsでは、20種類の無色のバトルフィールドから選択することが可能で、これらはどのデッキでも自由に選択できます。選択する際には、以下の3つの点を考慮しましょう。

  • あなたの戦略に最も適したバトルフィールドはどれか?
  • 敵に奪われた場合、あなたの戦略にとって最も痛手となるバトルフィールドはどれか?
  • 敵よりも少しだけ優位となれるバトルフィールドはどれか?

これらを考慮しながら、あなたのデッキで最も役に立つ3つのバトルフィールドを選択しましょう!

実践的な例:リー・シンのチャンピオンデッキ

こちらの「リー・シン」デッキについて、構築方法、このデッキの狙い、そしてこのデッキを改善する方法について説明します。

まず、選ばれしチャンピオンは「リー・シン Centered」です。前述したように、これは「ワイド」にプレイし、1体の強力なユニットではなく、複数のユニットからなる軍団の構築を目指すことを意図しています。大量のユニットがありますが、そのほとんどは自らバフを生成することがないので、レジェンドスキルの「盲目の修行僧」から恩恵を受けられます。

注目すべき点として、このデッキのユニットの多くは「Bilgewater Bully」や「Wizened Elder」、「ウディア」など、自分自身にバフを付与できなくとも、バフを獲得すると大幅に性能が向上するものです。このデッキをアップグレードしたり、このデッキに変更を加えるなら、「盲目の修行僧」のバフから追加の恩恵を得られるカードや、そのバフを繰り返し使用可能なカードを探しましょう。

重要なことですが、このデッキは「瞬身護法」や「鍛錬」などの戦闘に勝利するために役立ったり、「挑戦」や「チャーム」などの勝てる戦闘を仕掛けるために役立つスペルや装備が少なくなっています。勝利するためには戦闘でバトルフィールドを奪う必要があるので、一般的には敵に奇襲を仕掛けて、戦闘で優位に立てる方法を用意しておくことが望ましいと考えられます。

最後に、このデッキには「霧の滝」と「ワイルドクロー・シャーマン」という2つの特徴的なカードが存在しています。これらは、時間はかかっても強力な軍団を構築でき、このデッキの戦術に特有の弱点をカバーするものとなっています。ジンクスのようにテンポが速いデッキや、ビクターのようにさらにワイドにプレイするデッキを相手にする場合、リー・シンは一度リードを奪われると逆転するのが難しいかもしれません… そんな時にユニットを直ちに準備状態にできるスキルがあれば、リーン・シンのバフで不利な状況からでもバトルフィールドにプレッシャーをかけることができます。このデッキの弱点をカバーする方法について考えるなら、逆転を可能にするカードや、他のバトルフィールドに移動する必要がある際に、ひとつのバトルフィールドに張り付いて守る軍団を活用できるカードを探してみましょう。

デッキ構築については以上です!

今回はここまでです。お気に入りのレジェンドを選んで実践してみましょう!デッキ構築のおすすめの方法のひとつは「仮デッキ」を構築して、友人を相手にしたり、地元のショップでプレイして、その試合から学んだこと(長所はどこか?短所はどこか?)を活用して、次のビルド構築に活かす方法です。リフトであなたが構築したデッキを見ることを楽しみにしています!

「ジンクス」チャンピオンデッキ

「ビクター」チャンピオンデッキ